2024年6月28日(金)午前1時、TREKより全世界同時で第8世代として進化を遂げた『Madone Gen 8』がUCIワールドチーム Lidl-Trekが使用するSLRグレードからセカンドグレードのSLまで合わせて8製品が発表されました。
シートチューブ上にある特徴的な穴としてIsoFlowテクノロジーが採用された第7世代が発表されたのが2022年7月。そこから2年の月日を経てTREK史上最大の発表として登場した第8世代Madoneがどのような進化を遂げたのか徹底紹介します。
本文は動画の後に続きます。
特徴
Émondaのように軽く、Madoneのように速い。
最速と最軽量が一つに
2025年モデルとして登場した第8世代のMadoneは、Trekを象徴する2つのスーパーバイクを組み合わせた衝撃的なバイク。Émondaのように軽く、Madoneのように速いこのバイクは、まさに両カテゴリーのベストであり、お客様が必要とする唯一無二のロードレースバイクです。
Madone Gen 8はMadone Gen 7とÉmondaに取って代わりますが、その超軽量、超エアロデザインは、それら両方のお客様により良い走りをもたらします。
飛ぶように上り、平地を疾走する。Madone Gen 8は、すべてをこなすために作られたのではありません。勝つために作られたのです。
先代のÉmondaより１時間当たり77秒速い
先代のMadoneフレームセットより320g軽量
Madone Gen 8がライダーを表彰台へ導く
Émondaのような軽さ
Madone Gen 8は、まったく新しい900シリーズOCLVカーボンと先鋭的な新しいチューブ設計により、現行のÉmonda SLRフレームセットと同程度の軽さを誇り、従来のMadoneフレームセットよりも320グラム軽量です。さらに嘘のように坂を駆け上がれるので、Émondaにお乗りのお客様にもご満足いただけるでしょう。
Madone Gen 7と同等の速さ
Madone Gen 8は、1時間の走行でÉmondaより77秒速く、新しいFull System Foilエアロ形状の採用により、先代Madoneと同等の速さを誇ります。さらに、新しいRSL Aero BottleとCage（Madone SLRのみ標準装備）は、どのバイクでもライダーを含めたシステム全体を速くするのに役立ちます。
*ライダーシステム（バイク、ライダー、ボトル/ケージ、コンポーネント）を200Wとした場合
より洗練されたIsoFlowテクノロジー
軽くて快適なIsoFlowテクノロジー
Madone Gen 8の最新IsoFlowテクノロジーは、従来よりもさらに軽く、垂直方向のコンプライアンスが最大80%向上。路面振動を巧みに吸収するので、長い時間、力強く走れます。
Aero RSL Roadインテグレーテッドバー/ステム
人間工学に基づいた新しい軽量ハンドルバー/ステム
新開発の超軽量OCLVカーボン製Aero RSL Roadインテグレーテッドバー/ステムは、超高速のエアロ形状、ドロップ部より3cm狭いブラケット部（Gen 7と同じドロップ形状）で、ライダーを究極のエアロポジションに導きます。
※SLRグレード完成車に標準搭載
※電動ドライブトレイン専用
SLRとSLの2グレードかつ豊富なラインナップ
究極のレースバイクをお求めやすい価格で
新しいMadone SLは、SLRと同じ革新的なフレームテクノロジーを共有しながら、500シリーズOCLVカーボンと別体式ハンドルバー/ステムを使いコストを抑えています。SLは電動および機械式変速にも対応。
SHIMANO機械式105 12速コンポーネントを採用したMadone SL 5 Gen 8は¥449,000にて販売。
※2024/06/28現在
見た目のエアロが最重要ではない
TREKのMadoneと言えば第6世代から第7世代にかけて見た目からしてエアロロードだと分かるデザインをしていました。しかし、新型のMadone Gen 8ではフレームのダウンチューブやフロントフォーク、専用の一体型ハンドルバーに至るまで旧世代のような薄く平らなエアロ形状を取り入れてはいません。
そうでありながら第7世代と同レベルのエアロ形状を維持し、最も軽量で優れた性能を持っているのには以下の理由があります。
Trek RSL Aeroウォーターボトル＆ケージ
TREKのAERODYNAMICS LEADであるJOHN DAVIS氏より…
「Madone Gen 8はエアロバイクの形を再定義します。形状だけで速くなれるのであれば、フレームだけなら風洞実験施設で速いバイクができるかもしれません。ただホイールやボトルなどをつけたらそこまでの速さは出ないかもしれません。」
「バイク全体がフルシステムとして速くなるよう、1箇所だけではなくその前後にある空間も、可能な限り速くできる形状として取り込みました。ダウンチューブ、エアロボトル2本、そしてシートチューブ。それらひとつひとつの形を組み合わせることで１つの大きな翼型になるデザインを行いました。それこそが、本当の意味で翼型としてのエアロ効果となります。」
つまり車体におけるフレームだけでなくハンドルやホイールやボトルといったトータルのパッケージ、そしてライダーの乗車姿勢における空気の流れまで含めての設計でエアロ効果を生みだしています。
今回Madone Gen 8と同時に発売されたTrek RSL Aeroウォーターボトル＆ケージ(¥11,800-)はエアロ効果を最大限引き出す上で必須のアイテムと言えるでしょう。
※ボトルケージはOCLVカーボン製、ボトル単体での販売有(\3,000-)
※SLRグレード完成車には初めから付属
Trek Aero RSL Road インテグレーテッド ハンドルバー／ステム
新型のハンドルバーステムは伝統的なエアロ形状ではありません。
しかし、バイクとライダーシステム全体の速度向上に役立っています。
上記画像の様にエアロダイナミクス的には縦に幅広いですが、これが脚に当たる風の速さを抑えられる構造になっています。脚にかかる空気抵抗を減らし、システムとしての抵抗を減らしています。
リーチ：80mm ドロップ：124mm
※SLRグレードには完成車パッケージとして標準搭載。SLグレードは対応ヘッドセットに交換することで取付可能。
※Madone Gen 8にのみ対応
サイズ展開は以下の通りです。
| 350mm/380mm x 80mm 350mm/380mm x 90mm 350mm/380mm x 100mm | 370mm/400mm x 70mm 370mm/400mm x 80mm 370mm/400mm x 90mm 370mm/400mm x 100mm 370mm/400mm x 110mm | 390mm/420mm x 80mm 390mm/420mm x 90mm 390mm/420mm x 100mm 390mm/420mm x 110mm 390mm/420mm x 120mm 390mm/420mm x 130mm | 410mm/440mm x 100mm 410mm/440mm x 110mm 410mm/440mm x 120mm |
ラインナップ
※SLRグレードは電動コンポーネント専用
※重量はメーカー公表値（MLサイズ）です。カラーやサイズにより異なります。また個体差があります。
SLRグレード(900シリーズOCLVカーボン)
フレームセット
Madone SLR Gen 8フレームセット
(¥790,000-)
重量：MLサイズフレーム796g/フォーク350g
カラー展開：2色
※シートポストは別売、フレームセットにはAero RSL Roadインテグレーテッドバー/ステム用ヘッドセットが付属
完成車(4車種)
Madone SLR 9 AXS Gen 8
(¥2,000,000-)
重量：MLサイズ7.00 kg（TLRシーラント仕様、チューブなし）
スペックにはトップレベルのSRAM RED AXSドライブトレイン、Aeolus RSL51カーボンホイール、Trek Aero RSL一体式カーボンハンドルバー／ステム、そして空気抵抗を低減するRSL Aeroボトル＆ケージを装備。
Madone SLR 9 Gen 8
(¥1,850,000-)
重量：MLサイズ7.08 kg（TLRシーラント仕様、チューブなし）
スペックにはShimano最高峰のDura-Ace Di2ドライブトレイン、Aeolus RSL51カーボンホイール、Trek Aero RSL一体式カーボンハンドルバー／ステム、そして空気抵抗を低減するRSL Aeroボトル＆ケージを装備。
Madone SLR 7 AXS Gen 8
(¥1,600,000-)
重量：MLサイズ7.43 kg（TLRシーラント仕様、チューブなし）
スペックにはSRAM Force AXS D2ドライブトレイン、Aeolus PRO51カーボンホイール、Trek Aero RSL一体式カーボンハンドルバー／ステム、そして空気抵抗を低減するRSL Aeroボトル＆ケージを装備。
Madone SLR 7 Gen 8
(¥1,400,000-)
重量：MLサイズ7.31 kg（TLRシーラント仕様、チューブなし）
スペックにはShimano Ultegra Di2グループセット、Aeolus PRO51カーボンホイール、Trek Aero RSL一体式カーボンハンドルバー／ステム、そして空気抵抗を低減するRSL Aeroボトル＆ケージを装備。
※バイクの重量制限（バイク本体、ライダー、装備含む）は275ポンド（125kg）になります。
SLRグレード完成車カラーについて
SLRグレード完成車における定番カラーは上記4色より選択可能。
但し、下記モデルに限り塗装アップチャージにて特殊カラーが選択可能。
カラー/Interstellar
Madone SLR 9 AXS Gen 8のみ選択可能
塗装アップチャージ\500,000-
カラー/Crystalline – Viper Red
Madone SLR 7 Gen 8のみ選択可能
塗装アップチャージ\250,000-
その他、特殊カラーやオリジナルカラーに関してはProject Oneにて注文可能です。
SLRグレードの注文はProject Oneがお薦め
Madone SLR完成車はあなただけのオリジナルカラーやパーツ構成で注文できるProject Oneにも対応しています。
カラー変更だけでなくホイールやサドルの種類、ハンドル・ステム長、クランクアーム長などご自身の好みの構成で車体を注文できます。
特に今回のMadone Gen8では一体型ハンドルが採用されているため、「予めショップでフィッティングを受ける」もしくは「ご自身のポジションを把握している」上で希望のハンドル幅・ステム長を選択し、クランク長まで変更できるProject Oneでのご注文がお薦めです。
またProject Oneならばホイールのグレードやリムハイト変更、チェーンリングの歯数やスプロケットの歯数変更、アップチャージによるオリジナルカラーでの注文が可能です。
STAR☆BIKESでは専門のフィッターとAIを組み合わせたオリジナルフィッティングサービスを行っています。
また、既存のバイクをお持ち込みいただくことで精密に採寸を行い、新たな車体にポジションを再現することができます。
SLグレード(500シリーズOCLVカーボン)
※SLグレードは電動および機械式コンポーネントに対応
完成車(3車種)
Madone SL 7 Gen 8
(¥950,000-)
重量：MLサイズ7.88 kg（TLRシーラント仕様、チューブなし）
スペックはShimano Ultegra Di2グループセットにAeolus PRO51カーボンホイール、コクピットはBontrager RSL AeroカーボンハンドルバーとRCS Proステムの組み合わせを採用。
Madone SL 6 Gen 8
(¥720,000-)
重量：MLサイズ8.16 kg（TLRシーラント仕様、チューブなし）
スペックはShimano 105 Di2グループセットにAeolus Elite35カーボンホイール、コクピットはBontrager CompアルミハンドルバーとRCS Proステムの組み合わせを採用。
Madone SL 5 Gen 8
(¥449,000-)
重量：MLサイズ8.70 kg（チューブ付き）
スペックはShimano 105 機械式グループセットにBontrager Paradigm SLアルミホイール、コクピットはBontrager CompアルミハンドルバーとRCS Proステムの組み合わせを採用。
サイズ表記とジオメトリー
これまでのTREKにおけるEmondaやMadone Gen 7のサイズ表記は47,50,52…といった数値サイジングシステムでの表記でしたが、今回のGen 8ではXS,S,M,L…といったアルファサイジングシステムに変わりました。
TREKではこれからの新作やアップデートされるロードプラットフォームには、このサイジングを採用するとのことです。
また従来のMadoneは身長156㎝未満の方はチャートから外れておりましたが、Madone Gen 8のサイジングはメーカー推奨で147cm~219cmの方まで対応できるようになっています。身長150㎝未満の方でも選べるようになったのは嬉しいですね。
Madone Gen 8では専用シートポストで長さがショート/トール、オフセットが0mm/20mmの選択肢があります。
そのためフレームサイズに加えてシートポストのショート/トールを変更することで最小/最大サドルレール高が変わります。普段乗っているバイクのサドル高をBB-サドルトップで計算している方はサドルレール-サドルトップまでの高さを計算してMadone Gen 8のフレームサイズを調べましょう。
また完成車にはXS, S, Mサイズにショートポストが、ML, L, XLにはロングポストが付属（オフセットは0mm）してきます。
※ProjectOneでの注文ならショート/トールおよびオフセットの選択も可能
TREKではこれまでのEmondaやMadone Gen 7にＨ1.5ジオメトリーを採用していましたが、Madone Gen 8ではサイズ表記の変更や従来の8サイズから6サイズに統合したことで新しいジオメトリーとなりました。
Gen 7 vs Gen 8 サイジング
特にポイントとなってくるのは従来のサイズ感覚で選ぶとスタック(ハンドルの高さに関わってくる数値)が大きくなる傾向があることです。
例えば…
H1.5ジオメトリーを採用している従来のMadone Gen 7やEmondaの50サイズに乗っていた人がサイズ比較表を見てMadone Gen 8のＳサイズを購入するとスタックが521mmから530mmに変わるため、大雑把に言えばステムをべた下げにした時に約1cm高くなります。
よってMadone Gen 8のサイズを選ぶ際には
１、フレームサイズとシートポストの組み合わせによるサドルレール高を確認
２、選んだフレームサイズのリーチとスタックは普段乗るバイクと比べてどの程度異なるか？
この2点を考慮した上でサイズを決めましょう！
フレーム実測重量
SLRグレード(900シリーズOCLVカーボン)
Era White / Supernova Marbleカラーのフレームセット(Sサイズ)の実測重量を計測しました。
Madone SLR Gen 8のフレーム重量は800g、フォーク重量は360gでした。
参考までにGen 7(第7世代)のMadone SLRフレームセット実測重量は…
Madone SLR Gen 7のフレームセットの重量はフレームが1030g(サイズ54)、フォークが400gでした。
フォークはGen7がコラムカット済みのため正確な比較にはなりませんが、第7世代のMadone SLRと比較してフレームは230g相当の軽量化・フォークは40g相当の軽量化であることが分かります。
Trek Madone Gen 8 シートポストはSLRとSLグレードで共通しており重量は144.4g(0mmオフセット, ショートサイズ)でした。Gen7(0mmオフセット, ショートサイズ)と比較してより細身になったことでシートポストは約40g近い軽量化になりました。
以下は各スモールパーツの実測重量になります。
※上記トップカバー・ヘッドセットスペーサーはGen 8専用のTrek Aero RSL Road インテグレーテッド ハンドルバー/ステムに対応したものです。
塗装やフレームサイズによる誤差はありますが、フレーム・フォーク・シートポスト・スモールパーツにおける第7世代Madone SLRとの比較で約320gの軽量化であることは間違いないですね。
SLグレード(500シリーズOCLVカーボン)
Matte Deep SmokeカラーのMadone SL 5 Gen 8フレームセット(Sサイズ)の実測重量を計測しました。
Madone SL Gen 8のフレーム重量は960g、フォーク重量は370gでした。
SLRグレードとの比較ではフレーム重量差が約160gあること、フォークに関してはほぼ差がないことが分かりました。
今回の実測においてスタッフを驚かせたのはSLグレードにおける各モデルとの重量比較でした。
2023~2024年モデルのEmonda SLのフレームセット重量は実測でフレームが1190g（52サイズ）、フォークが360gでした。
なんとSLグレードにおいてEmondaからMadone Gen 8に乗り換えると1190gから960gと230gの軽量化になります。
また一世代前のMadone SL Gen 7のフレームセット重量は実測でフレームが1210g（サイズ54）、フォークが460gでした。
SLグレードのMadoneにおいてはGen 8とGen 7を比較するとフレームは250g差、フォークは90g差と合計で340g相当の軽量化になります。
Madone Gen 8 サービスマニュアル
Madone Gen 8に関するスモールパーツの品番確認やどのように組立てられているのか構造に関する確認はTREK公式サイトに掲載されているこちらのサービスマニュアルより確認ができます。
Lidl-TrekによるMadone Gen 8の華々しいデビュー
6月の初めに行われたツール前哨戦とも言われるクリテリウム・デュ・ドーフィネはMadone Gen 8の発表前段階ではありましたが、Lidl-Trekの選手によるお披露目が行われました。
その第1ステージ、序盤に3つの山岳を越え、後半は丘を含めた平坦路を2周回する172.5kmのレースにおいてリドル・トレックのマッズ・ピーダスン選手がサム・ベネット選手ら他チームのエーススプリンターを退け勝利し、Madone Gen 8の華々しいデビューを飾りました。
またレースの半分に厳しい山岳地帯を設定されたUCIワールドツアーのツール・ド・スイス第3ステージではティボー・ネイス選手が最後の登坂スプリントで各チームの有力パンチャー選手を相手に勝利しました。
6月29日より開催される世界で最も有名なロードレース「Tour de France 2024」でもLidl-Trekの選手たちがMadone Gen 8に乗って大きな活躍をしてくれるはずです。是非みんなで応援しましょう！
試乗車情報
STAR☆BIKESではMadone SL 5 Gen 8のSサイズ（メーカー推奨162~166cm）とMサイズ（メーカー推奨166~177cm）の試乗車を用意しています。
ご試乗の際は顔写真付きの身分証明書（免許証etc）が必要となります。
※未成年の方は親御様同伴のもとご試乗ください。
事前にお電話（0466-47-8191）もしくはお問い合わせフォームにてご予約いただくと当日スムーズにお乗り頂けます。
試乗時間は最大30分程度になります。
ご注文受付中
STAR☆BIKESでは新型Madone Gen 8の注文を受付中です。
また専用ハンドルバー/ステムやサドル高含め、サイズ選びが分からない際はお気軽にスタッフまでご相談ください。
フレームサイズを決めるためのバイクフィッティングもお受けしています。
またご不明点等ございましたらお気兼ねなくお問い合わせください。
